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東方分析録 「ほおずきみたいに紅い魂」
2010-02-12-Fri  CATEGORY: 東方分析録
このブログを開始した時からやりたかったことの一つに東方楽曲の分析がありました。
クラギやアコギで東方楽曲をソロアレンジした方ならば、編曲作業が一筋縄では行かない骨の折れる作業であるということは分かってもらえると思います。色々な原因が考えられると思いますが、その中でもソロギター編曲を行う際に最大の障害となるのが東方楽曲の唐突かつ奔放、極めて個性的な転調だと思われます。


クラギの場合ソロに向く調というのはかなり限られていて、そこを外れると途端に難易度が跳ね上がります。スタートは上手くいったと思っても、一回の転調で途端に演奏不能になるというのは珍しくありません。
アレンジの際に最も頭を悩ますのがこの調性の選択といってもいいと思います。逆にここがスパッとはまれば編曲に際して最初の大きな問題は解決したといってもいいでしょう。


この「東方分析録」は主に「紅魔郷」の原曲を取り上げて、東方楽曲の転調とそれに伴うベースラインの変化に主眼をあてて自分なりに解析して行こうというコーナーです。分析を進めて行くうちに楽曲に共通するパターンやギターにアレンジする際の注意点を見つけて行こうというのが最大の目的です。


纏める事で自分の考えを整理するために行っているので分かりにくいところや間違っているところも多数あると思います。そういう時は遠慮なく突っ込んで頂いたり、あるいはそこは別の考え方があるよ、など示唆してくれると大変有難いです。


それでは記念すべき一回目は紅魔郷ステージ1の道中曲「ほおずきみたいに紅い魂」を取り上げてみたいと思いますのでしばらくおつきあい下さい。





ニコ動が貼付けられないのでようつべで。


ここから物語が始まるよというワクワクする感じが伝わってきますね。全体にシンセサイザーでのオーケストレーションですが、仮に楽器を割り当てていくとするとパーカス、スラップベース、オーケストラシンセ、マリンバ、ピアノ、ミュートトランペット、フルートといった感じですかね。カッコいいのですが全体的な印象はユーモラスな感じです。なんとなく姫神の「奥の細道」みたいな曲かな~。


さてまずは転調の展開を見て行きます。
転調の分析は以下の図を使って分析していこうと思います。サークルオブ5th

時計の文字盤みたいですが、サークルオブ5thと言う表です。
時刻で言えば0時に当るところにAmがあります。とりあえず


右回転だと#が増える。
逆に左回転だと♭が増える。


くらいに見てもらえばいいです。
時計の針でいう、5時、6時、7時は複数のコードが載ってます。
(G#m=A♭m D#m=E♭m A#m=B♭m)
ここは♯と♭の境目、同名異音の部分です。平均率では違いがないということになっていますが、♯か♭かによって演奏する時の印象がかなり変るので状況に応じて使い分けます。


そして表に載ってるコードが全てマイナーだということにも注意してください。
東方曲の最も分かりやすく、かつ最大の特徴がここです。


基本的に調性は全てマイナーである


楽曲は基本的にマイナーコードで始まり、マイナーの進行を経て、マイナーコードで終るという事です。(ピカルディー終止とかの例外はありますが、オマケみたいなもの。)最も分かりやすく、かつ異様な特徴です。同じ様な楽曲を数多く創作したヴィヴァルディやピアソラでもこんなマゾヒスティックな縛りは行ってません。この極めて制限された状況の中で数多くの曲を残しているというのがまずとんでもないところです。(風神録以降の楽曲は単純にマイナーでは解析できない進行がありそうですが・・・)


さてちょっと話が逸れましたが、この表に「ほおずきみたいに紅い魂」の進行を当てはめると以下の様になります。

ほおずき

この表は転調のみを取り扱うので個々のコード変化を取り扱うものではないということは注意してください。
上の音源を聴きながら表を眺めてみてください。

開始から45秒までがDmの領域、そして45秒から1:12秒まではFmの領域、そしてまたDmに戻ります。
時計の針で言うと、11時からスタートして3時間巻き戻して8時、そして3時間進んで11時に戻っています。


3時間の転調が東方楽曲の核となる転調


と言いきっても過言ではないと思います、ほとんどの曲の進行がこれで説明出来ると思われます。


今軽く3時間行ったり来たりすると書きましたが、クラシックなどの考え方ではスタート地点から離れれば離れる程そこに辿り着くには時間と手間がかかるとされているので、結構とんでもない飛び方をしてるんですね。トニックとドミナントを核とするクラシックの手法でこの移調を実現しようとすると相当色々なコードを経ないと行けないのですが、ご覧の通り一瞬で転調を実現してしまっています。この転調を説明するにはどうしてもベースラインの動きの分析が必要になってきます。


長くなってしまったので簡単に解説しますが以下が「ほおずきみたいに紅い魂」ベースライン進行を分析した表です。

ほおずきベース

オクターブを半音で12分割した表です。ギターのフレットを等間隔で並べたと思ってくれればいいです。


上段がDm領域でのスケール
下段がFm領域でのスケール
○がその調でのルート(根音)


また以降も説明していくと思いますが、ここにも大きな特徴があります。


ベース音は(原則)ナチュラルマイナースケール上にある。

ベースの進行で最も核となる音は○と□の三つの音


ちょっと楽典を読んだ事のある方ならマイナースケールには三種類(ナチュラル、ハーモニック、メロディック)のスケールがあるというのは知識として知っていると思います。全ての楽曲を注意深く分析した訳ではないので断定は出来ないのですが、ほとんどの楽曲のベース音がナチュラルマイナー上に集っています。


そしてナチュラルマイナー上にはオクターブ内に7つの音がありますが、その中でも東方楽曲で最も重要な働きを持っていると考えられるのがルートとその二つ下までの音です。(DmならばD,C,B♭の三つの音。)勿論ベース音にはこれ以外の音も数多く使われていますが、原則この三つの音で全て事が足りそうな感じです。


そして図の上下を見比べると一つ眼につくポイントがあります。


スタート地点のルート音が転調後の□の音に挟まれている。


これについてはまた以降も取り上げて行くと思います。


短い楽曲ですが、東方曲の特徴が良く現れた小品だと思います。
これをギターアレンジするとなると長くなるのでまたの機会にしたいと思います。


次回分析予定→妖魔夜行
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コメント

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コメントsatommy | URL | 2010-02-12-Fri 11:16 [編集]
こういう記事は面白いです。興味深く読ませて頂きました。

言われてみれば3時間の転調(私は「調号3つ分の転調」とか呼んじゃってますが)多いですね。ギターで弾きやすいEmやAmに移調すると別の部分がGm,Cmとなって苦しい,という経験がたくさんあります。

ただ,「平行調の同主調」「同主調の平行調」への転調なので,なんとなくこういうのもそれなりにちゃんとした飛び方なのかなと,特に根拠も知識も無いですがぼんやり思ってました。

ベースラインは普段あまり気にしないで好き勝手やってることもあり,コードではなくベースラインの解析といわれると面食らってしまうのですが,次回も続くということで,楽しみにしております。
コメントharmomicos | URL | 2010-02-12-Fri 20:57 [編集]
satommyさん

コメントありがとうございます。「平行調の同主調」という言い方もありですね。こういう転調が今まで使われてきてなかった訳ではないと思いますが、これほど特化して使っているのが面白いな~というところです。

感覚的な事をなんとか言葉にしようという試みなので意味不明な部分も多くなってしまうと思いますが、おつきあい頂けると嬉しいです。
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